人知れず、夜泣き。
「・・・もう、こうして弁当作ってもらうのも無理だよね」
美味しい木内の弁当も、木内との楽しい時間も、今日で終わり。
「・・・なんで?? もう食べてくれないの?? さすがに橘くんに彼女が出来たり、好きな人が出来たら辞めようとは思ってたけど・・・もしかして、いるの??」
木内が、悲しそうな目でオレを見た。
逆でしょ。 悲しいの、オレの方でしょ。
「木内さんにはいるでしょ。 木内さん、結婚するんでしょ」
やけ食いの様にクリームコロッケを口に突っ込む。
もう食えないんだと思うと、いちいち美味い木内の弁当に腹が立つ。
「・・・・・・指輪、返品しちゃった」