人知れず、夜泣き。

 チューハイを飲み、泣きながら歩く木内の後ろを見つからない様に追う。

 だって、さすがに心配。

 夜道を一人で歩いてるってだけで心配なのに、アイツは酒飲んでるし泣いている。

 変なヤツに捕まれば、簡単にヤられるし、殺られる。







 ・・・・・・にしても、遠すぎだろ。

 歩きすぎだろ。 かれこれ2時間は歩いている。

 あの女の家、どこなんだよ。

 若干尾行した事を後悔していると、木内の足が止まった。

 アパートの電気の点いている部屋を見上げる木内。

 多分、あそこが木内の部屋。

 でも、彼女は入ろうとしなくて。

 近くの街灯の下に座っては、また泣いた。
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