人知れず、夜泣き。
ワタシは宝飾店で販売員をしている。
職業柄、ほとんど平日休だ。
悟はサラリーマン。 土日休み。
今日は土曜日。
今日は悟のシゴトが休み。
「木内さーん、DM投函して来てー」
「あ、はーい。 行ってきまーす」
店長に頼まれて、DMを投函しに店の近くの郵便局に向かった時だった。
「・・・・・・悟??」
悟が若くてカワイイ女のコとデートをしていた。
あれはまぎれもなく悟だ。
3年も一緒に暮らしているんだ。 見間違えるはずがない。
そして、あれは間違いなくデートだ。
だって、2人は慣れた様に指と指を絡ませ合いながら手を繋いでいた。
友達とは、普通あんな風に手は繋がない。
悟が、楽しそうに笑っていた。