人知れず、夜泣き。
悲しくて、悔しくて、苦しくて、赦せなくて。
目にじわり、涙が滲んだ。
『結婚』を考えて、焦っていたのはワタシだけだった。
ワタシは、悟にとってただの同居人でしかなかったのかもしれない。
涙は1度滲むと、溢れ出そうと量を増やす。
でも、今は泣きたくない。
失恋のショックで泣いた所で可愛く見える歳でもなければ、泣き顔でシゴトに戻れる程常識がない大人でもなかった。
絶対に泣くものかと、口を真一文字にして喰いしばり、涙が引く様目に力を入れる。
がんばれ、ワタシ。