人知れず、夜泣き。
「何?? オレの売り方に問題でも??」
木内のしぶしぶ感が若干イラっとする為、開き直ってみせる。
オレも大概タチが悪い。
「全然」
「嘘吐け。 本当は軽蔑してるくせに」
更に絡む。 今日のオレは、なかなかウザイ。 ・・・寝不足だからかな。
「してませんよ、本当に。 『歌が上手いから歌手になる。 スタイルが良いからモデルになる。 綺麗な顔をフル活用で販売をする』同じ事だと思うんですけど・・・違いますかね??」
木内の言う事は何かちょっと違う気もするが・・・。
木内はサラっとオレの顔を『綺麗』と言ってくれた。
木内は貧乏臭い女だけど、オレに嬉しい言葉をたくさんくれる。
・・・嫌いじゃないかも。
むしろ、居心地が良い。