人知れず、夜泣き。



 頑張りは実を結び、涙を流す事もなくお店に戻った。

 いつも以上にテンションを上げて、普段以上の笑顔を作る。

 ここは宝飾店。

 こんな時、『どうしてこんな職業を選んでしまったんだろう』と後悔をする。

 シゴト自体は嫌いではない。 と言うか、好きだ。

 でも、宝飾を買いに来られるお客様には、カップルも多い。

 そんな幸せいっぱいのカップルに、笑顔でジュエリーを勧めなければいけない。

 今のワタシには、なかなか過酷だ。

 でも、笑え。 がんばれ、ワタシ。
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