人知れず、夜泣き。

 「でも今日は、引越し手伝ってくれたお礼なので、奮発して牛肉100%のデミソースハンバーグにしよう!!」

 そう言って木内 は『ニカッ』と笑うけど、

 「木内家は何ソースかけるの??」

 「ウチは、ウスターソースとケチャップ混ぜ合わせたものか、ホイールトマトで煮込むか、おろしポン酢かけるか・・・かな??」

 木内の話す、美味しそうな木内の家の味が食べたくなった。

 「どのハンバーグが得意??」

 「んー。 トマトの煮込みハンバーグかな??」

 「じゃあ、それ作って」

 牛肉を元の場所に戻して、あいびき肉をカゴに入れた。

 「牛肉じゃなくていいの??」

 『遠慮しなくていいんだよ??』とオレを見上げる木内。

 「いいの」

 だって、木内が作れば何でも美味いから。
< 79 / 161 >

この作品をシェア

pagetop