いとしいあなたに幸福を
咲良はそう言ってくれたが、それでも申し訳ない気持ちは拭えなかった。

「すみません…折角一緒にお仕事させて貰える最初の日なのに」

「いいのよ、愛ちゃんは前から他の仕事の合間に京様のお世話を手伝ってくれてたじゃない。それに、周様も仲の良い愛ちゃんが行ってくれれば安心なさるわ」

「咲良さん…」

愛梨は咲良に深く頭を下げると、傍らの使用人と共に周の元へ急いだ。


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