いとしいあなたに幸福を
「本当か?俺には……都に、そっくりに見えるよ」

「それはそうですわよ、お二人の御子なんですからね。目鼻立ちは都様似ですけど、輪郭や耳の形は周様に似てますのよ」

「……うん。本当だ…」

こんなに長く、この子を抱いて見つめてやったことは今までになかった。

もっと早く、触れてやれば良かった。

俺と都の――大切な息子なのに。

「ごめんな…京」

「周様!」

すると、先程状況を確認しに走ってくれた使用人が慌てて戻ってきた。

「どうした?」

「愛ちゃんの行き先なんですが、商店街の中の民家だそうです。悠梨くんを迎えに行ったらしくて…」

「悠梨を迎えに?」

経緯が良く解らず問い返した周に、使用人は言葉を続けた。

「何でも、怪我をした悠梨くんを保護したという者から連絡が来ていたらしくて…」

「まあ、悠梨くんが!?」

悠梨が…怪我?

しかし何故、愛梨がそれを自分に隠す必要がある――

「まさか、俺のせいか…」
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