いとしいあなたに幸福を
「何ですか、京様。ちゃんと大きな声で言わないと聞こえませんよ」
少し意地の悪い言い方で陽司に煽られ、京は大きく息を吸い込んだ。
「っ京、言うな!!」
次いで、慌てて駆け込んできた周が京を抱き上げてその口を押さえようとしたが、一瞬遅かった。
「っ父さまはあいちゃんのことがだいすきなんだ!だからあいちゃん、ぼくのおとうとの母さまになってよ!!」
思いがけず同じ目線の高さになった愛梨に向かって、京は大声を張り上げた。
「え……」
耳を、疑った。
「周さんが、わたしのことを……好き?」
思わず京の言葉を反芻してみると、息子を持ち上げたまま固まっていた周が顔を真っ赤にした。
「え…いや、あのっ……そういう意味じゃあなくてっ、愛ちゃんのことは家族みたいな意味で大切というか好きというか…っ」
「苦しい嘘言わないでください。俺が愛ちゃんと話してると嫉妬心剥き出しで睨んでくるくせに」
「うっ…」
陽司に茶化され、周は狼狽えた様子で目を泳がせた。
「そ、それに京くんの弟って…」
「あっ!あのね、あいちゃん、ぼくおとうとがほしいの。それで父さまにたのんだのに、だめっていうからあいちゃんにたのんだんだよ」
「わたし、に…?」
「だって赤ちゃんは父さまと母さまが仲よくないとできないって、父さまがいったんだもん。だからあいちゃんが父さまと仲よくしてくれたら、ぼくにおとうとできるでしょ?」
少し意地の悪い言い方で陽司に煽られ、京は大きく息を吸い込んだ。
「っ京、言うな!!」
次いで、慌てて駆け込んできた周が京を抱き上げてその口を押さえようとしたが、一瞬遅かった。
「っ父さまはあいちゃんのことがだいすきなんだ!だからあいちゃん、ぼくのおとうとの母さまになってよ!!」
思いがけず同じ目線の高さになった愛梨に向かって、京は大声を張り上げた。
「え……」
耳を、疑った。
「周さんが、わたしのことを……好き?」
思わず京の言葉を反芻してみると、息子を持ち上げたまま固まっていた周が顔を真っ赤にした。
「え…いや、あのっ……そういう意味じゃあなくてっ、愛ちゃんのことは家族みたいな意味で大切というか好きというか…っ」
「苦しい嘘言わないでください。俺が愛ちゃんと話してると嫉妬心剥き出しで睨んでくるくせに」
「うっ…」
陽司に茶化され、周は狼狽えた様子で目を泳がせた。
「そ、それに京くんの弟って…」
「あっ!あのね、あいちゃん、ぼくおとうとがほしいの。それで父さまにたのんだのに、だめっていうからあいちゃんにたのんだんだよ」
「わたし、に…?」
「だって赤ちゃんは父さまと母さまが仲よくないとできないって、父さまがいったんだもん。だからあいちゃんが父さまと仲よくしてくれたら、ぼくにおとうとできるでしょ?」