いとしいあなたに幸福を

「だから、あいちゃんがぼくのおとうとの母さまになってくれないとだめなの」

「で、でもなあ京…」

「だいじょうぶだよ。ぼくが父さまもあいちゃんもゆりくんも、おとうともみんなまもるんだから！」

京はそう言って、もう一度笑って見せた。

その笑顔を見た途端、悠梨の中で何かが吹っ切れたような気がした。

「………そうか。それじゃあ仕方ないかな…」

小さく溜め息をついた悠梨に、周は様子を窺うように声を掛ける。

「ゆ…悠梨…？」

「周、お前の息子…強過ぎるわ」

そんな風に笑われたら、勝てる訳ないじゃないか。





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