いとしいあなたに幸福を
京に笑い掛けられ、悠梨は小さく首を傾げた。
「偶然、俺の足が向いた先が周の行き先と一緒だっただけだよ」
「お兄ちゃんったら、またそんなこと言って…素直に心配だったって言えばいいのに」
「…まあ周に何かあったらお前たちが悲しむだろ?周はどうなろうが一向に構わないが、それは困る」
悠梨は飽くまで、表情を変えずにそう言っているが。
愛梨と京がくすくすと笑うので、周もつられて笑ってしまった。
「悠梨、お前って何て言うか…あれだよな」
「何だよ」
「何でもねえよ」
「父さんとゆりくんはなかよし、でしょ?母さん」
「ええ、そうね」
幼い京にまで見透かされ、悠梨は少しばつが悪そうにこちらをねめ付けた。
「…仲良くない」
「京、こいつは俺やお前に愛梨を取られて拗ねてんだよ。昔はもう少し素直だったんだがな…お前はこんな兄貴になるんじゃないぞ?」
「うるさいぞ親馬鹿。どさくさ紛れに余計なこと言うな」
「でもゆりくん、ぼくにはやさしいよ」
京が傍に歩み寄ると、悠梨はその頭を優しく撫でてやった。
「そりゃ、お前は可愛いからな。周は可愛くも何ともない」
「偶然、俺の足が向いた先が周の行き先と一緒だっただけだよ」
「お兄ちゃんったら、またそんなこと言って…素直に心配だったって言えばいいのに」
「…まあ周に何かあったらお前たちが悲しむだろ?周はどうなろうが一向に構わないが、それは困る」
悠梨は飽くまで、表情を変えずにそう言っているが。
愛梨と京がくすくすと笑うので、周もつられて笑ってしまった。
「悠梨、お前って何て言うか…あれだよな」
「何だよ」
「何でもねえよ」
「父さんとゆりくんはなかよし、でしょ?母さん」
「ええ、そうね」
幼い京にまで見透かされ、悠梨は少しばつが悪そうにこちらをねめ付けた。
「…仲良くない」
「京、こいつは俺やお前に愛梨を取られて拗ねてんだよ。昔はもう少し素直だったんだがな…お前はこんな兄貴になるんじゃないぞ?」
「うるさいぞ親馬鹿。どさくさ紛れに余計なこと言うな」
「でもゆりくん、ぼくにはやさしいよ」
京が傍に歩み寄ると、悠梨はその頭を優しく撫でてやった。
「そりゃ、お前は可愛いからな。周は可愛くも何ともない」