この束縛野郎が!!
どうやら私に出会い、仲良くなるにつれて束縛体質へと変化した桐谷。
少し責任を感じて離れようともしたが、それは桐谷が断固許さなかった。
『絶対ダメ』の一点張り。
男と話せば怒る。
ケータイは知らない内に見られる。
『あの男雪乃狙ってるから喋るな』と忠告のような脅迫。
私自体メールに執着が無くて返事なんて滅多にしないのに、
女子並みに来る桐谷のメールと返さないと来る着信。
プライバシーも何も無いそれは、犯罪の様にも感じる束縛。
しかし、そんな桐谷を警察に突き付けないのは、
私がそうさせてしまったという罪悪感と、
桐谷はこういう人間だという諦め。
夏休みのある日から、
面倒くさがり屋の私は、自ら面倒くさい奴を背負う事になったのだ。
ああ…………今すぐ逃げたい………