この束縛野郎が!!
「別に桐谷に関係ないでしょうが」
「雪乃が他の男と出掛けるとか絶対無理」
相変わらず自分勝手で強引。
「ねえ雪乃…」
呆れてため息吐いていると、
急に伸びてきた桐谷の両腕。
その腕が私の後ろにある壁に手を付くように置かれて、
私は桐谷が壁に着いた右手と左手の間に居る。
つまりは桐谷の腕に囲まれた形になっている。
どうせ『どいて』と言っても無駄だ。
諦めた私はジッと目の前の桐谷を見る。
「雪乃が離れて行くのは嫌だ。雪乃が他の男のモノになるのは絶対嫌だ。
日に日に増す独占欲と他の男に対する嫉妬心。
どうしたら良いんだろうね?
もう俺は、雪乃を俺しかいない部屋に閉じ込めたくて、閉じ込めたくて、
誰にも雪乃を見せたくなくて、可愛がり尽くしたくて仕方がないんだ」
その桐谷の目は、獲物を狙うような目をしてたかと思うと、段々にぞくりと背筋が逆立つ様な甘ったるい顔つきになる。
「雪乃が好き。どうしょうもないくらい雪乃が好きだ。
でも雪乃は俺を『面倒くさい』『ウザい』って言っているから…
だから雪乃が俺を好きになるまで、俺は雪乃を絶対離さないよ。
あ…違った。好きになってくれたらもっと離さないけどね。
だから雪乃。
大人しく俺を好きになれ」