この束縛野郎が!!
「おーおー!桐谷君、吉村ちゃんについて行ったのね~」
いつの間にか隣から窓の外を見ていた優理。
心がポッカリとしている私とは逆に、
面白そうにクツクツ笑っている。
「んで?
念願の『桐谷君が離れる事』を実現できた雪乃ちゃんは、
なんでそんなに悲しそうなのかな?」
『ズバッとお見通しだ!』と言いたいような優理。
…………ワカラナイ…………
「優理…私自分がわからない。
私、桐谷を束縛体質にさせちゃって、離れてくれなくて、
男の人と喋っただけで機嫌悪くなられて、
望んでない告白されて、
私が桐谷を好きでもそうでなくても離さないって言われて、
監禁されるか窒息死させられる危機を背負わされて、
トイレ行っている時にケータイもチェックされて、
何故かスケジュール管理されてて、
メールとか電話とかこっちが返してないのにどんどん来て、
直ぐに『男と居たの?』とか彼氏じゃないのに疑われて、
プライバシーなんて無くて面倒くさかった。
面倒くさいの嫌いなんだよね」