この束縛野郎が!!






奏多サイド――――――――――――





吉村に『雪乃ちゃんの事で』と言われて学校を出て、


入ったのは直ぐ近くの公園。









ブランコに乗る吉村の横のブランコに俺も座った。









「で?雪乃の事って何?」


急かすように聞けば、吉村は苦笑いで口を開く。









「桐谷君、雪乃ちゃんの事ちゃんと考えた事ある?



雪乃ちゃん、桐谷君の事何にも思ってない…というより、



迷惑しているんだよ?『面倒くさい』って言ってる。



自分の気持ちばっかり押し付けて…それじゃあ雪乃ちゃん振り向きっこない」







顔をゆがませているのは雪乃の事を思い出してか……雪乃からどれだけ話を聞いているのか分からないけど、


俺より雪乃の事を分かっている様な気がするのは……



俺が雪乃に自分の気持ちを押し付けているから。





 
< 27 / 43 >

この作品をシェア

pagetop