この束縛野郎が!!
奏多サイド――――――――――――
吉村に『雪乃ちゃんの事で』と言われて学校を出て、
入ったのは直ぐ近くの公園。
ブランコに乗る吉村の横のブランコに俺も座った。
「で?雪乃の事って何?」
急かすように聞けば、吉村は苦笑いで口を開く。
「桐谷君、雪乃ちゃんの事ちゃんと考えた事ある?
雪乃ちゃん、桐谷君の事何にも思ってない…というより、
迷惑しているんだよ?『面倒くさい』って言ってる。
自分の気持ちばっかり押し付けて…それじゃあ雪乃ちゃん振り向きっこない」
顔をゆがませているのは雪乃の事を思い出してか……雪乃からどれだけ話を聞いているのか分からないけど、
俺より雪乃の事を分かっている様な気がするのは……
俺が雪乃に自分の気持ちを押し付けているから。