この束縛野郎が!!
雪乃にとって面倒くさい男でも良い。
雪乃が離れて行かないように…逃げないように…
『いつか雪乃を手放せる日』なんて一生来ない。
俺自身の事だ。俺が断言する。
『運命の人はピンッと来るもの』だと昔お祖母ちゃんが言っていたけど、
俺は雪乃にピンッと来たどころか、ビビビビビビビッって来たぞ。
雪乃……雪乃……
雪乃の気持ちを考える余裕すらないこんな俺だけど、
お前の事が大好きで大好きでしょうがないんだ。
「ねえ。桐谷君……――――――」
吉村は笑顔でそう言った。
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