この束縛野郎が!!
「あ……あれ?藤崎さん1人?」
下駄箱でバッタリ会ったのは、
2学期始まった日に私に話しかけてくれたけど、桐谷君に割り込まれて結局話を最後まで聞けなかった…………今野君。
「うん?そうだけど…?」
私が答えれば、今野君はキョロキョロして私の周りを確かめるように見ると、
『あれ?なんだかチャンス…』とつぶやいた。
「チャンス?」
「あっ!ううん!なんでもないよ!」
ブルブルと首を横に振る今野君を不思議に思いながらも、私は上靴から靴に履きかえた。
「あっあの!藤崎さん!!」
あの時みたいに緊張した声で話しかけてくる今野君。
「校門まで一緒に歩いて行かない?」
目を見開いた。
最近そんな誘いをしてくれる人居なかった………
違う。いつもいつも桐谷が隣に居たから……
私が男子に話しかけられても桐谷が割り込んでたから………
桐谷…………私男子に誘われてるよ?話しているよ?
もうどうでも良いの?