この束縛野郎が!!







「あ……あれ?藤崎さん1人?」



下駄箱でバッタリ会ったのは、

2学期始まった日に私に話しかけてくれたけど、桐谷君に割り込まれて結局話を最後まで聞けなかった…………今野君。






「うん?そうだけど…?」



私が答えれば、今野君はキョロキョロして私の周りを確かめるように見ると、
『あれ?なんだかチャンス…』とつぶやいた。




「チャンス?」


「あっ!ううん!なんでもないよ!」



ブルブルと首を横に振る今野君を不思議に思いながらも、私は上靴から靴に履きかえた。





「あっあの!藤崎さん!!」



あの時みたいに緊張した声で話しかけてくる今野君。





「校門まで一緒に歩いて行かない?」




目を見開いた。

最近そんな誘いをしてくれる人居なかった………





違う。いつもいつも桐谷が隣に居たから……


私が男子に話しかけられても桐谷が割り込んでたから………








桐谷…………私男子に誘われてるよ?話しているよ?


もうどうでも良いの?







 
< 32 / 43 >

この作品をシェア

pagetop