この束縛野郎が!!
「はいどうぞ」
「あっどうも。同じ教科書って事は同じ学校?
俺、鈴咲高校の1年なんだけど…」
教科書は学校のレベルにより変わってくる。
教科担当の先生がその学校の偏差値にあった教科書や問題集を選んでいるのだろう。
確かに私の通っている学校は『鈴崎高校』だ。
「私も鈴崎の1年」
「やっぱり。もしかして古典の課題?それなら……――」
さっきまで自分が座ろうとしていた席に無事着いた私は、隣をチラッと見る。
隣には同じ教科書を持っている男の子。
『それなら一緒にやらない?資料必要みたいだから協力してやれば進み早いと思うんだけど』
その提案に乗っかったのは、単に早く楽に宿題を終わらせたかったから。
隣に座る、桐谷奏多と名乗った男の子は、
黒髪がサラサラで綺麗で、顔も整っていて…
見た目爽やか系で好印象を持たれそうな人だ。
クラスが違うからこんな人居たの知らなかったが、そう言えばクラスの女子が他のクラスのだれだれがイケメンだとか騒いでいた気がする。
この人の事かもしれない。