【短編集】あいとしあわせを祈るうた
クリスマスの朝。
私がベッドで目を覚ますと、いつも横で寝ているはずの冬馬の姿はなかった。
やや、もしかして朝帰り……?
ヘッド・ボードのスマホを手繰り寄せるも着信はなし。
不安になる。
まさか、冬馬に限って……
ガバッと起きると、サイドテーブルに茶色いクマの縫いぐるみ。
あ、これ、昨夜の戦利品。
杉本君…楽しかったな……
ありがとう。
クマをぎゅっと抱きしめた時。
指に何が引っかかった。
よく見るとクマは、細い金のネックレスを着けていた。
ペンダントヘッドには、
小さなアクアマリン。
結婚資金を貯めたいから、クリスマスプレゼントは、お互いなしにしようって決めていたのに。