【短編集】あいとしあわせを祈るうた


「反省したの?」


急にナカジ君の声と顔が優しくなった。


「もうこんなことすんなよ。俺は佐藤のことマジ大事にしたいって思ってるんだから。研修が終わって、配属先がばらばらになったとしても、2人の仲が動じることはない。
だから、ゆっくりと進んでいこ。
……な?」



「……ん」


わたしは小さくうなづいた。


ナカジ君との距離がさらに縮まり、表情が見えなくなる。

わたしは本能的に目を閉じた。


やがて、わたしの唇に柔らかくて温かいものが押し付けられ……



『わたし、これからもずっとナカジ君を一途に愛するよ』



そう心の中で誓った。





【END】


< 26 / 70 >

この作品をシェア

pagetop