【短編集】あいとしあわせを祈るうた
「反省したの?」
急にナカジ君の声と顔が優しくなった。
「もうこんなことすんなよ。俺は佐藤のことマジ大事にしたいって思ってるんだから。研修が終わって、配属先がばらばらになったとしても、2人の仲が動じることはない。
だから、ゆっくりと進んでいこ。
……な?」
「……ん」
わたしは小さくうなづいた。
ナカジ君との距離がさらに縮まり、表情が見えなくなる。
わたしは本能的に目を閉じた。
やがて、わたしの唇に柔らかくて温かいものが押し付けられ……
『わたし、これからもずっとナカジ君を一途に愛するよ』
そう心の中で誓った。
【END】