candle
長い時間、携帯電話で話すと
熱を帯びることを初めて知った。

20分くらい話しているかも。
「一緒に…行きたいです。是非。」

心地いい声に包まれて、私の恋は
知らない間に始まっていた。

少し体がついてかない。

待ち合わせを週末の夕方で
仕事終わった頃に、車で
迎えに来てくださる。

静かに電話を切った後も
大輔サンの声に包まれていた。

睡眠不足になるかもと思ったのに
眠る時間になると、眠くなった。

週末まで、相変わらず…
ランチの時間の1時間手前頃に
入社書類の封筒の速達の束を
届けにきてくださっていた。

私は受領印を押して、ニコッと笑う。
大輔サンもニコッと笑ってくれた。

小さな会話を取り交わして

私が対応できない日でも
遠くで目が合ったりもしていた。

こういうのって一番ドキドキする。
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