candle
メールのやり取りで、時間を確認して
私が、あの日、小さなメモを渡した
会社のビルの前でまた、逢った。

左右確認したとき、
大輔サンは、車から降りて、
優しく手を振ってくれていた。

少し小走りで車に向かう。
社内の流れていた音楽は、
私の好きな音楽だった。

…緊張する。

「私服、初めて見ました。」
大輔サンが低くて優しい声で言う。
スカートの裾を直しながら、照れる。

「大輔サンも…。」
思っていたような私服だった。
真っ黒のパーカーが似合っていた。

仕事で疲れてたことなんて、
すぐ吹っ飛んじゃう。

「この近くなんです。紅葉の穴場。」

思わずニコニコ笑ってしまう。
楽しみだし、デートみたいだし、
綺麗な紅葉、一緒に見たい。

「楽しみー。仕事、そのために
頑張っちゃいました。」

「今日、ニコニコしてましたよね。」
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