candle
次の日も、その次の日も、
速達の郵便物は届いてくる。

だんだん絆創膏も貼る必要が
なくなってきたとき…
郵便屋サンに、チョコレイトを2個あげた。

ポケットに入るくらいの大きさで
制服のポケットに入れて朝ココへ座る。

ランチの時間の1時間手前頃に
郵便屋サンが来るのを待って、
心を込めて…そっと、渡した。

「コレ、戴きものですけど…どうぞ。」

本当は戴きものなんかじゃない。
昨夜頑張って見つけてきたもの。

「ありがとうございます。
じゃぁ、遠慮なく、頂きます。」

チョコレイトを小さく揺らして、
自分のポケットに入れてくれた。

人事課に入社書類の束を渡すのも
心は痛まなくなってきた。
小さな失恋の痛みは無くなった。

明日は何のきっかけで話そう。

チョコレイト、郵便屋サンは甘いもの
好きなんだろうか。

…聞いてみようかなぁ。
< 5 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop