candle
うまく息ができない。
私は、ゆっくり吸って…吐いた…。

…名前…聞いちゃった。
秋なのに、なんか暑くなってくる。
勝手に心が温かくなった。

頂いた封筒の束を
一旦引き出しに入れて…そのまま

私は、机の引き出しのなかから
小さなメモ用紙を取り出した。

その小さなメモ用紙に、ペンで
数字と記号とアルファベットを
なるべく丁寧に急いで書いて…
自分の名前も書いて…走った。

走ってエレベーターに乗って、
1階に下りて…外に出て…
郵便屋サンのcabを見つけた。

その側の男性に声をかけた。

「大輔サン…っ。あの…。
…今度、一緒に遊んでください。」

頭を少し下げたまま…
先程書いた、小さなメモを渡した。

小さなメモを受け取ってくれて
この数秒に優しい風が吹いた。

「今夜、仕事何時に終わりますか?
…俺から、電話します。」
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