candle
外の秋の風は、優しかった…。

まだドキドキして、息苦しい。
仕事終わる時間は…えっと…
「8時には…家に居ます…。」

「じゃぁ8時に…。」
と、小さなメモを小さく揺らして、
自分のポケットに入れてくれた。

郵便屋サンのcabのエンジン音がして
走り出してく姿を見ていた。

…まだうまく息ができない。

秋の風が吹いて…我に返る。
私…連絡先教えちゃった。

…迷惑だったかな。
でも、連絡くれるって…
今さら顔が赤くなってく。

上着を着てないからヒンヤリして
少し肩を抑えながら…戻って
エレベーターに乗った。

引き出しから封筒の束を持って
1階上に階段を使って上って
総務部人事課へ書類を渡した。

自分の席に戻って…先程の…
会話を…ゆっくりと思い出した。

…ダメだ…。
やっぱりもう、好きになっていた。
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