50センチとチョコレート



「部長、絶対私のこと嫌ってる」

会社帰りに行きつけの居酒屋で、会社の同僚とアフターファイブももう6年目。
同期入社のすこしポッチャリなんだけど、笑顔が可愛い進藤麻美には、本当にお世話になっている。



「また、企画書門前払い?奈々も懲りないね」

黄金色に輝いて、炭酸が下から上に上がってくる液体をグビっと半分飲み干して喉が少しだけ刺激される。
そのグラスをドン!とテーブルに叩きつけると私は麻美の顔を睨みつけた。



「麻美はいいよね。あの新商品の…なんだっけ?ポケットチョコレートだっけ?あの企画が通って商品化されてるんだからさ」

「あら。あれ美味しくなかった?」

「悔しいくらいに、美味しかった」


なら、良かった。
麻美は可愛い笑顔で、グラスを口に持って行く。



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