押し殺す【短篇】
「そうでもないよ」

簡単な言葉を発すると、彼女は自室へ向かった。



当時七歳だった十年前、彼女は気付いたのだ。

自分が学校で避けられがちだ、という事実に。

その原因は、すぐに感情を外に出してしまうからだろう、と推測した。


試しに、感情を押し殺してみた。

すると、彼女には少しずつ友達ができ始めたのだ。

< 11 / 30 >

この作品をシェア

pagetop