押し殺す【短篇】
五月二十三日――彼女が最後に学校へ行く日――は、涼しい一日となった。


清々しい風を全身に纏いながら、体育の授業を受けた。

あまりの心地良さに憎らしささえ感じてしまいそうだが、感情を押し殺した彼女の心は、空っぽだった。

< 15 / 30 >

この作品をシェア

pagetop