押し殺す【短篇】
ベージュの壁の、王宮へ着いてしまった。

時刻は、午後一時五十五分だ。


入口に立っている護衛に、自分の名を告げる。

不敵な笑みを顔に貼り付け、彼らは彼女を中に通した。


中で待っていたのは、土気色に近い顔色の人物だ。

ただでさえ細い目が作り笑いにより、線と化している。


きっと、王に仕えている者なのだろう。

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