押し殺す【短篇】
ズズズーン、と凄まじい音が聞こえてくる。


その場の者が、頭上に視線を送った。

巨大な鉄の塊のようなものが、急速に落下してくる。


あの凶器に、自分は押し殺されるのだ。

感情を押し殺してきた自分が、鉄の塊に押し殺される。

皮肉だ、とだけ感じた。

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