押し殺す【短篇】
「おい、奴の最期の表情を見たか?」
王が、近くの者に尋ねる。
「はい、見ました」
「無表情だったな。せっかく、怯える様子を楽しみにしておったのに。けしからん、けしからん」
「そうですね。怯える表情だけが、唯一の楽しみですからね」
その場の者は皆、不完全燃焼、といった表情を浮かべていた。
王が、近くの者に尋ねる。
「はい、見ました」
「無表情だったな。せっかく、怯える様子を楽しみにしておったのに。けしからん、けしからん」
「そうですね。怯える表情だけが、唯一の楽しみですからね」
その場の者は皆、不完全燃焼、といった表情を浮かべていた。