流れ星に向かって

アイツは魔物

次の日、私の席に人だかりができていた。

いや、現にいうと私の席まで巻き込んで女子がいっせいに集まっていた。

隣の人が来たのかな?

人ごみを掻き分けてやっとの思いで自分の席にたどりついた。

「時雨くーん
なんで昨日こなかったのぉ?
ウチら寂しかったんだよぉ〜」

「そうだよぉー
目の保養が消えたら何のために学 校に来たらいいのぉー」

うわ、うるさい

朝っぱらから…

青葉は、前の部活の先輩に会いに行ってるし…

よっしゃ、本読もう!


「えっとぉ、若宮 千鶴ちゃんだよ
ね?」

「………(集中してる)」

「ぇぇ?!無視?!
千鶴ちゃん?ちーづーるーちゃん」

「ふぁい!?!」

耳元で叫ばれたので驚き過ぎてしまった。

あまにりも声が大きかったらしく、クラスのみんなから見られてしまった……。

恥ずかしい

「その本ってさ、soraさんの新作だよね?」

「え?うん!そうだよ!
知ってる人とかいたんだ!」

soraとは、私が大好きな写真集の作者である。

ほとんどが空や、宇宙のことだけどたまたま、初めてこの本を見つけてそれからハマってしまった。


「私も大好きなんだ〜
私ね植村 優奈(うえむら ゆうな)です!」

「よろしくね
友達第1号だ!!」

「千鶴た、だ、い、まぁっ!」

青葉がぎゅっと抱きついてきた

「青葉お帰り〜
いまね、新しい友達が……あれ?」

さっきまで、いたのにもう自分の席に座っていた。

「どしたの?千鶴?」

「あ、なんでもないよ!!」

「そっかぁ、じゃーね」

青葉がパタパタと走って席に戻っている。

ちょうどいいタイミングで先生が入ってきた

私のクラスの担任はとってもカッコイイ
私達とあまり年は離れていないと思う。

「まぁ、また自己紹介します!
南里 昴(なんり すばる)だ
これから1年間よろしくな」

笑顔がとても優しい先生で2日目なのにもう皆から好かれていた。

「今から隣と一緒にオリエンテーションをしたいと思いまーす。
ルールは簡単、2人1組で校内を探険してください。スタンプ押す場所が所々あるからちゃんと押せよな!」

隣か…

そういえば綺堂くんさっきからフード被ってて顔が全然見えないなぁ

「綺堂くんだよね?
よろしくね、2人でがんばろっ!」

最初にしては上出来の挨拶にアイツは

「うっせぇ…」

と、言ってきた。
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