カラッポの君-恋計画-
「いってきまーす」
元気だけが取柄の16歳は今日も快調だ。
西川アユム。
憧れの高校に受かって、真新しい制服にもすっかり慣れた。
木の葉が緑に変わるこの季節が、あたしは大好き。
「そうだ」
思いついて、あたしは昨日の路地をそっとのぞいた。
常習犯ならきっとまた現れる。
そこがチャンス。
「……静かだな」
そう上手くいかないか?
くるりと向きを変え、歩き出そうとしたとき。
ポンポン―
「――!!!」