カラッポの君-恋計画-

ガチャ―

「ただいま」

テツのご機嫌な声がした。

「自白したってよ」

ジャージに着替えると、軽い口調でそう言った。

俺たちはテツを見る。

「あの男が、か?」

「他に誰がいんだよ。ま、一安心だなあ」

ニッと西川アユムに微笑むテツ。

自白させたに違いないと、俺は思った。

「あの、ほんとにありがとうっ」

必死に例を述べる姫君とやらを満足そうに見つめるテツの考えは、たまに理解できない。

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