カラッポの君-恋計画-

肩を叩かれ、全身が凍りついた。

大きな手、だ。


「……アユム?」

「……え」


振り返ると、わき道から爽やかな王子様のスマイルがのぞいていた。


「リョウ先輩っ?」

「だから先輩はやめろって」

「じゃあリョウ兄ちゃんでいいわけー?」


近所に住むリョウ兄ちゃんは同じ高校の2つ上で、かなりモテてるって噂。

だからあたしは学校で兄ちゃんって呼ばないんだ。


< 11 / 175 >

この作品をシェア

pagetop