カラッポの君-恋計画-

カラン―

タオルを浸けると桶の中で氷の音がする。

もう何度も繰り返したけど、熱は下がらない。

「大丈夫、かな」

綺麗な寝顔。

こんなに近くでワタルを見るのは初めてかも。

あたし、ワタルのこと勘違いしてた。

でも皆きっと、上辺のワタルしか知らないよね。

どうして言葉にしないんだろうって、そんなの簡単だ。

言葉を、くれる人がいなかったんだよね。

どうでもいいなんて。

そんなわけないに決まってるよね。

ごめんね、ワタル。


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