カラッポの君-恋計画-

風が吹いて、男の髪が揺れた。

サラサラの黒髪と、高い身長はやっぱり黒豹のようだ。


「どうゆう…こと?」

「さあ?」

「騙したの?」

「簡単だったな」

「ひど…」

そんなことされる程あたし恨まれてたっけ?

「なーんにも知らないんだもんなぁ」

意味あり気に、男が言う。

「……知らないって?」

「別に」

「ちょっと。ここまで呼んどいて」

「自分で来たんだろ」

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