カラッポの君-恋計画-
First
ガラス
「アユム、お使い頼んでいい?」
「えー」
ちょうど連ドラのいい所だったのにっ。
「ほら、早く。お店閉まっちゃう」
「はぁい」
ママってば相変わらず強引なんだから。
あたしは普段着のまま、携帯も持たずに家を出ることにした。
鏡に映る自分は、化粧っ気のない顔をしている。
ママのママがアメリカだからか、あたしはその血を継いだ。
いつもならなんてことのない外出だった。