カラッポの君-恋計画-

「あ、その隣にいる静かな男ね。つか名前ぐらい名乗れよ」

「うっせ」

やっぱり仲間なんじゃんか、とワタルって奴を睨む。

「あ、俺はテツ。ワタルと違ってジェントルマンだから」

「あ、あの……パパは?」

「いや~ごめんね。それもこれも嘘ってゆーか」

「……え?」

「え?まじでドクターに見える?俺」

そう言うと自分の白衣を嬉しそうに眺めた。

「……ック」

ワタルって男が低く笑う。

信じられない。

あたしがどれほど心配したと思ってんのよ。

「目的は何?」


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