カラッポの君-恋計画-

「ワタルっ!!また行くのかっ?」

テツの言葉を無視し、俺はスニーカーを履いた。

「チカンに間違われて戻ってくる方に10円」

唯一信頼できる奴だけど、とにかくよくしゃべる。

「この前失敗したんだろ?侵入ってルパンじゃねぇんだからさ」

「うっせー」

「もう辞めとけよ」

テツを見ることもせず大きなパーカーを羽織り、俺は相部屋を出た。

覚悟は出来てる。


なのに……

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