カラッポの君-恋計画-

約束なんてしてないけど、一緒にいるのが辛くて。

あたしは思わず駆け出していた。

なんて心が狭いんだろう。

こんなだから、相手にしてもらえないんだよね。

「おはよっ」

一段と大きな声でそう言うと、うつむいていたワタルがびくっと顔を上げた。

「……ああ」

「お・は・よ」

「なに」

「アイサツ。できないの?」

「はっ。なんだそれ」

カッチーン。

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