カラッポの君-恋計画-
レンジで温めるお米でおにぎりを握って、コンビニで揃えたおつまみを出した。
「あり合わせでごめんね」
そう言うと、テツが目を開いた。
「ここで米食うのって初めてじゃね?」
「えっ」
「おにぎりって懐かしいわ。いただきまーす」
「あ、はい。ワタルも、食べて」
「ああ」
パソコンに向かっていたワタルが、こっちに座った。
「お茶淹れるね」
「なんか、いい。新妻っぽい。アユムちゃん」
モグモグと口を動かしながら、テツが笑った。
「なに言ってんのっ」
「あはっ。エプロン用意しとこっと」
「バカ」
ワタルとは正反対でよく話すな、と思った。
再びヤカンをコンロにかけながら、あたしはしっかりとした手料理でお礼をしようと決めた。