カラッポの君-恋計画-

「ごめんなさい…」

「なんで謝る」

「へ…」

怒ってないんだ。

「よかった」

一安心して、料理を再開した。

うん、醤油のいい香り。

「あの、大きめのお皿ってある?」

煮物を盛るのに、このキッチンには見当たらなかった。

「…たぶんその上」

「上?」

見上げると小さな棚が取り付けてあった。

本当にあるのか?と思いながら手を伸ばす。

「と、届かないじゃん…」


< 86 / 175 >

この作品をシェア

pagetop