いじめられっこ世にはばかる
が、なんと無傷で生きていた。私は車に撥ねられた時、
車のボンネットの上に乗っかったようだった。
運転手が慌てて飛び出してきて、「大丈夫かしら?ちゃんと殺したと思うんだけど...」
などと呟いていたが、生きていた私を見て、憤怒の形相に変わった。
「チッ、さっさと死になさい!!」運転手が叫んだ瞬間に、急に運転手が崩れ落ちた。
「ねぇ君大丈夫 ?死ぬとこだったね。」一人の少女が微笑みながら運転手の後ろに立っていた。
私は少女に礼を言いながら、ボンネットから降り、その少女を観察した。
少女の服装は至って普通だったが、手に持っているものが、明らかに普通じゃないものだった。
なぜなら、彼女が手にしていたのは、銃のような不思議な物だった。
「あたし真人って言うの。君、名前は?」手に持っているものとは裏腹に
少女の顔には、無邪気で明るい笑顔が浮かんでいた。
「あたしは、麗。あの、助けてくれてありがとう。」私は、知りたいことが山ほどあったが、とりあえず、お礼を言った。
「ねえ、何で君が狙われてるの?」真人に聞かれて、
私は返答に詰まった。
「えっと、狙われてるってどういうこと?」
私は学校ではあんな目にあっているが、それを除いたら、普通の学生だ。
狙われるような点は何一つとてない。少女は私の質問に対して、驚いた顔をした。
「へぇ、君は何も知らないのか。ふむ、あたしからも詳しいことは言えないんだけどね。
君は確実に狙われてるよ。それだけは確実だよ。狙われてる理由とかそれはいえなんだ。」
そういうと、真人はいたずらっぽく笑った。
「まぁ、いつかは君も知ることになるよ。じゃあ、またきっといつか、
君と出会う気がするから、その時まで楽しみに待ってるよ。」
少女はそう言って、踵を返してどこかへ行ってしまった。
私は、聞きたいことが聞けなかったが、真人とはきっとまた出会う気がしたので、
その日まで取っておこうと思った。
実際に真人と出会う機会はすぐにやって来た。
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