『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
そして、運命の結果が出た。


「採点結果が出ましたっ! 何と! 観客50/50! 審査員満点! 120点ですっ! 」


Super ㎡の2人が、顔を見合わせて何かを決意しているのに気付き、コソコソと背後から米山と近づく。


「何してるの! 」
「うっさい、もうエエわ。あんなドシロウトに負けて」


摩理依のかみ締めた唇の端に、うっすらと血がにじんでいた。


今にも立ち上がろうとする2人の服のそでを強く引き、思いとどまらせる。


「ダメ、来年もあるのよ。大人になって……」
「ここであきらめてどうするのよ! 一度芸人になるって決めた以上、引き下がらないで。私はね、あなた達に勝てそうにないから、コンビ解散して、見守る事にしたの」


米山の一言は、秀一郎の目の色を変えさせた。


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