『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
2人の支度を開始するために楽屋へ押し込むと、中からキャイキャイとはしゃぎ声が聞えて来る。


中に居るのは万里也・秀一郎・スタイリストの若くて可愛い子・ヘアメイクの綺麗なお姉さん、それからトドメはメイクアップアーティストの中年だがそれなりに美人。


はい、失敗しました。


そうです、2人は無類の女好き。


当然、美人&可愛い子に囲まれて黙っているワケが無い。


急いでドアを開けると、飲みかけのジュースが飛んで来る。


「楽しくやっとんねん、開けんなや! 」


ナンパの真っ最中、んのガキども……仕事を何だと思っているのだろう。


「万里也君のアドレスゲットー! 」
「今度、一緒に遊ぼうねー」
「パーティせえへん? 」


女性3人はすっかり彼らのトリコ。


スケジュールでは30分の準備時間が1時間に延び、スタッフの皆さんに再度頭を下げて回る。


「申し訳ございません」


今日は、何度頭を下げる事になるんだろう。

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