『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
「どうや? アドリブ効いてたやろ」
「そやな」


えーと、この2人の関係が何だかおかしく見えるんですが。


いや、でも女好きのはずだから。


それでもあのキス、単なる演技には見えないし……。


モニターを確認した監督は、うんとうなづくと次のシーンの用意に掛からせる。


今のでOKなんでしょうか、これは。


そう聞きたいけれど、余りにも真剣な様子で声を掛ける事すら許されない。


「次のシーン入ります」


準備が終わり、変えられたセットの中でダンサーさん達が体をくねらせて踊り始める。


『愛したのが最後 僕のワナにハメてあげる』
『許したのが最後 全て奪い君を狂わせる』


ダンサーさんが2人に近寄り、顔をなで上げた。


一瞬、ニヤっとしたのは秀一郎。


もしかして、この子、ムッツリスケベなのか。

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