【完】伝えない、伝えたい。
体を売るほど、あたしも馬鹿じゃない。
むしろそういう経験は少なくて、彼氏にフラれたのもそういうのが原因だった。
でも颯太くんは違った。
優しく包み込んでくれた。
あたしはそんな颯太くんの優しさに甘えてしまったの。
そしてあたしたちは、今のような関係になったんだ。
思い出しているとそんなに昔のことでもないのに、すごく懐かしく感じた。
「言っとくけど俺、最初っから凪咲狙いだったから」
「え!?」
颯太くんの意外な発言に驚く。