lovable winp

「美味そうに作ってあるな。どうせワガママ言って急に頼んだんだろ」


うるさい女どもの声をシカトして、なんとなくスッキリしない気持ちのまま相菜が持ってきた弁当を開く。


それを横目に見ながら、優明は嫌味を含んだような声色で相菜の弁当を褒める。


確かに……急に言ったにしては手を抜いた感じもない、きちんと作られた弁当だ。


「これくらい当たり前だろ。アイツは俺に気に入られたくて必死なんだから」


だから、俺の命令にバカみたいになんでも頷く。

それが俺の意地悪い気持ちを満足させる反面、いつも俯いてばっかりなのが気に入らない。


相菜はガキの時はよく泣くけどよく笑うヤツだった。
それが今では全然笑わない。


俺のことが好きなら……役に立てたって喜べば良いのに。
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